創る人×raytrek インタビュー

映像制作

サードウェーブデジノスのPCが未来のコンテンツをお手伝い!次世代放送コンテンツ制作をサポートしたraytrek

サードウェーブデジノスのPCが未来のコンテンツをお手伝い!
次世代放送コンテンツ制作をサポートしたraytrek

Unreal Engineを使えば新しい8K視聴体験の創出が可能に!

イベント会場で子供達が体験して楽しめる『次世代放送の配信技術』のデモ映像を制作することになった東映ツークン研究所。最新の映像配信技術を扱うということで、コンテンツの作成方法も新しい試みを使って制作されました。
デモ映像の内容は、4人のかわいいキャラクターたちが障害物競走をしている映像で、1台の大きなモニターと、タブレット端末4台に表示されます。タブレット端末の映像は、キャラクター視点になっており、映像を切り替えて楽しめる仕様です。

上の画面が、大きなモニターに表示され、下の4つの画面がそれぞれのタブレットに表示されていました。タブレットの画面は各キャラクターの視点に次々と切り替えが可能です。

同研究所は今回の映像制作の基幹部分に、「Unreal Engine」を使って映像を制作するという、ユニークなアプローチで取り組んでいます。Unreal Engineは一般的にゲームエンジンとして有名ですが、最近では映像制作の現場でも利用されることが多くなってきました。東映ツークン研究所も、映像制作にUnreal Engineを使うことで、今後スタンダードとなる8Kの超高解像度コンテンツを短時間で制作でき、かつ将来の番組制作における知見になると考えたのだそうです。通常8Kといった高解像度の映像データを3DCGで制作する場合、モデルデータの作成、モーション付け、最終的なレンダリングなどそれぞれの工程で膨大な時間が必要となります。レンダリングに関しては単純に考えると、フルHDの1フレームが1分間でレンダリング終了すると仮定した場合、8Kの場合は16倍の16分間かかる計算となります。これでは細かな調整を行う時間が奪われ、クオリティに問題が出てしまいます。そこで東映ツークン研究所はまず、Unreal Engineを使って、リアルタイムに最終ルック(最終的な仕上がりの見え方のこと)を確認するワークフロー「Unreal Stage」を開発しました。これにより、撮影スタジオ内では最終ルックの確認をしながらモーションキャプチャーやバーチャルカメラの収録が可能になり、デスクワークではアニメーションやレイアウト作業時にUnreal Engineをビューアーとして使うことができるようになりました。レンダリング時間が必要なく、すぐさま最終ルックの確認ができることは、クリエイティブな作業時間を増やすことに繋がり、作品のクオリティアップに大きく影響しています。

マルチアングルの映像コンテンツは、今回制作した障害物競走の映像を手がける前に、ロックバンド「PELICAN FANCLUB」のPVで実験的に制作されていました。

Unreal Stageによって、リアルタイムで3DCGを処理するということは、PCはかなりハイパフォーマンスなスペックが要求されます。そこで東映ツークン研究所が使用したのが、サードウェーブデジノスがリリースしているraytrekでした。制作のために実際に使用されたraytrekは、インテル Core i7-7700K、メモリー64GB、グラフィックボードにNVIDIA TITAN Xが搭載されたモデル。最終的なレンダリング時には、51個のムービーを出力する必要があり、なかでも8Kのシーケンスは、秒間60フレームで700秒分(42000フレーム)という膨大な数のフレーム数でした。しかしraytrek のPCにインストールされたUnreal Engineにより、1枚1.4秒でレンダリングでき、全部のレンダリングは16時間程度で終了しました。ちなみに従来の環境では、1枚のレンダリングに数時間かかっていたので、完成まで数年かかっていたことになります。
今回の映像制作に実際に携わった東映ツークン研究所の美濃一彦氏は、「テクノロジーの進化にともない、コンテンツ制作も柔軟性が求められ、効率的でフレキシブルなワークフローが必須となっている」とおっしゃっていました。


東映ツークン研究所
美濃一彦氏インタビュー

新しいことを思いついたらすぐにチャレンジできるんです!

――今回「Unreal Engine」を採用されていますが、ほかのエンジンの採用も検討されていたのでしょうか?

弊社としてはUnreal Engineでの取り組みは2年ほど前からスタートしました。当時はどんなエンジンを使うかと検討していた段階で、「Unity」なども候補としては挙がりましたが、写実的な表現に向いているのはUnreal Engineだったというのが選択した理由です。

――「PELICAN FANCLUB」の映像も、リアル系の3DCGでした。あのイメージを作り出すためにUnreal Engineを選択されたということもありますか?

はい。あの映像は企画やデザインから弊社が関わらせていただきました。そして制作するにあたり、次なるステップも考えて作品作りをするという側面もあったんです。

――今回作業用PCとしてサードウェーブデジノスのraytrekを使用されていましたが、グラフィックボードがTITAN Xということで、かなりの作業効率アップになっていたのでしょうか?

作業の効率化と同時にクオリティアップにもつながりました。最初は1台のPCにTITAN Xを2枚構成で進めていましたが、作業効率を考えて2台のPCそれぞれにTITAN X1枚を差す構成に変更してレンダリングを行ってます。結果的にはこれも効率アップに繋がったのかもしれませんね。

最大デジタル解像度は7680×4320ドット。GDDR5Xと呼ばれる最新のメモリ規格のグラフィックメモリが12ギガバイト搭載されています。2016年8月に発売された製品ながら、2017年3月に発売されたフラグシップモデル『GeForce GTX1080Ti』に次ぐ性能を誇っています。

――リアルタイムにモーションが反映されるということは、今までのようにMayaなどの3DCGツールを使って制作する方法とはかなり違うと思います。社内でもそのあたりは意識されましたか?

今までの方法だと、レンダリング時間や煩雑なワークフローが結果的に足を引っ張っていました。納期の数週間前にアニメーションやライティングをフィックスしてレンダリングを開始して、という流れは大きな負担です。それを一新し、納期の前日まで細かな調整が行えるようになったことは大きな変化を生みました。これはまさに絵作りに集中できる時間が増えるということで、クリエイターが新しいことを思いついたらすぐにチャレンジできるということでもあります。この違いは大きな革新ですね。

――レンダリング時間が大幅に短縮できるということは修正もしやすいということですよね?

そうなんです。たとえばアニメーターが考えたカメラワークやエフェクトをチェックするために、3日間かけてレンダリングして見てみたら、全然イメージと違ったということが頻繁に起こります。そのままタイムアップを迎え修正できないことも多々ありました。でもUnreal Engineを使った新しいワークフローでは、リアルタイムでチェックできるので、何度も修正が可能になります。このスピード感を体験すると、以前のような制作工程にはもう戻れないですね。

実際にフィールドの模型を作り、キャラクターたちがどのルートを通るのかを撮影し、そのムービーをもとに3DCGを制作した。

3DCGで大まかなフィールドを作成し、障害物の玉の動きや、キャラクターたちが走るモーションを、テスト動作させてみたサンプルムービー。

キャラクターの動きはモーションキャプチャーによって表現されているので、動きはとてもリアル。「Unreal Stage」を使用しているため、キャプチャーされた動きは、左下のフィールド画面CGにリアルタイムで反映されています。

「Unreal Stage」では、カメラワークをモーションキャプチャーして、リアルタイムに反映することも可能。この機能のおかげで、カメラマンが実際にキャラクターを追いかけているようなカメラワークが可能になっている。

東映ツークン研究所で使用されたraytrekの仕様

OS Windows 10 Home 64bit
CPU インテル Core i7-7700K (クアッドコア/HT対応/定格4.20GHz/TB時最大4.50GHz/L3キャッシュ8MB)
グラフィックボード NVIDIA TITAN X 12GB
メモリー 64GB DDR4 SDRAM (PC4-19200/16GBx4/デュアルチャネル)
ハードディスク 【SATA3】 2TB HDD (SATA6Gb/s対応)
SSD 500GB SSD
光学ドライブ DVDスーパーマルチドライブ
マザーボード インテル Z270 チップセット ATXマザーボード
東映ツークン研究所
http://www.zukun-lab.com/
Unreal Stageについて
http://www.zukun-lab.com/randd/
PELICAN FANCLUB - 説明(MV) × ZUKUNLAB.東映ツークン研究所
https://youtu.be/w7CzHbrOnjg
raytrek
http://www.dospara.co.jp/5create/
美濃一彦氏
美濃一彦
東映株式会社
デジタルセンター ツークン研究所
企画制作・研究開発チーム長 プロデューサー/ビジュアルディレクター
ページ
TOPへ