イベント・展示会情報

3DCG

3Dプリンターでマイミニ四駆をつくろう!親子工作体験教室

3Dプリンターでマイミニ四駆をつくろう!
親子工作体験教室

3Dプリンターを使ってミニ四駆のボディーの自作を体験。そんな夢のようなイベントが全国各地 で開催されている。そこで用いられる3D-CGアプリケーション「Metasequoia(メタセコイア)」 及び3Dプリンター「AFINIA H480」を操作するパソコンとして、サードウェーブデジノスのクリ エイター向けPC「raytrek」が採用されている。 2016年3月20日(日曜日)に「タミヤプラモデルファクトリー新橋店」にて開催されたイベントの様子をお伝えする。

出展概要

会場: タミヤプラモデルファクトリー
会期: 2016年3月19日、20日

イベント体験レポート

■参加者全員に3Dプリンターを用意、作ってすぐに遊べるイベント

イベント体験レポート その1
一般社団法人3Dデータを活用する会・3D-GANが主催、「3Dプリンターでマイミニ四駆をつくろ う!親子工作体験教室」と銘打たれたこのイベント。各回10組ずつ、合計40組の予約枠は、募集開始からあっという間に小中学生と「ミニ四駆第一世代」と思しき彼らの熱心な保護者によって 満席になった。

イベント体験レポート その2
まずは、参加者1組ずつにミニ四駆キット「フェスタジョーヌ」か「ライズエンペラー」が配布される。前後に出力軸を持ったモーターを車体中央に搭載し、それぞれのピニオンから前後のアク スルをダイレクトにドライブ。さらにボトムに2本のデフューザートンネルを備え、優れた空力特性を持つMAシャーシを採用した、タミヤ最新のキットだ。

イベント体験レポート その3
さらに、1組ずつに3Dプリンター「AFTINA H480」と、サードウェーブデジノスのクリエイター 向けPC「raytrek」が設置されている。3D-CGアプリケーションは「Metasequoia(メタセコイ ア)」がセットアップされていた。こういったイベントでは成果物は後日の完成になるか、プリンターを一台のみ設置して一部を完成させることが多いが、それではせっかく作ったミニ四駆を楽しむことが出来ない。作ったものを自らの手に取り、その興奮が冷めないままに公式の広々としたコースで走らせることで、もの作りの成果をより強く実感する。そのためにこのイベントでは全ての参加者に同じ設備が用意されている。

■もの作りへの正しい理解が全体のレベルを向上させる

イベント体験レポート その4
3D-GAN代表理事の相馬達也氏は、今回のイベントを開催する狙いを次のように語る。 日本のアニメや漫画などのコンテンツの豊富さやクオリティというのは、クリエイターの幅広さから来ているのは間違いありません。例えば、Pixivの盛り上がりを見ても、プロから本当の入門者まで幅広い人が作品作りに取り組み、投稿しています。もちろん、そこに投稿される作品は玉 石混淆ですが、それが良いんです。たくさんの人がたくさんのコンテンツを作っているということが、全体のレベルを押し上げているんです。一方で、もの作りの方はどうかというと、日本はもの作り大国などと言っていましたが、現在は家庭で靴下の穴を繕う事すらしていません。

今時、新聞を作るのに職人が活字を拾って写植をしているなんて、日本では誰も思っていません。 当たり前のようにコンピューターを使ってレイアウトをしているとみんな知っています。ところが、もの作りとなると、未だに設計をする人はドラフター(製図用の画板のような道具)で図面を書いて、それを職人に渡していると多くの人は考えています。現在のもの作りでは、殆どが3D-CGや3D-CADでモデリングしてそれを3Dプリンターなどの工作機械で出力をしているにも関わらず、です。もちろん、タミヤさんだって3D-CGや3D-CADで商品を作っています。

そして、現在のもの作りというのは、データ作りに他ならないということを理解してもらいたいと考えています。今は一般家庭にもカラープリンターが普及しています。しかし、プリンターというのはただの出力デバイスですから、必ずデータを作るという行為が必要です。Adobe PhotoshopやIllustratorに代表されるようなアプリケーションの操作を習得することは必須です。もの作りでも同じように、3Dプリンターから成果を出力しようと思うと、3Dのアプリケーションの操作に習熟する必要があります。

そういった他のクリエイティブな場面では当たり前のように理解されていることが、もの作りにおいてはまだまだ理解されているとは言い難い状況です。今回のようなイベントを通じて、もの作りに関する正しい理解と知識が多くの人に広まれば、そして多くの人がもの作りに携わるように なっていただければ、業界全体のレベルを押し上げられる事に繋がる、と考えています。

■本物のプロダクションが体験できるメニュー

イベント体験レポート その5
講座は、講師の金築真(かねつき まこと)氏が全体の流れを説明することから始まった。作業全体の把握と成果目標の確認はもの作りでは必須なので、それを踏まえた上での講座のスタートだ。
今回の流れは、

     
  • ・デザインを考える
  •  
  • ・3Dプリンターで出力
  •  
  • ・シャーシの組み立て
  •  
  • ・ボディの仕上げ
  •  
  • ・完成

となっている。3Dプリンターでの出力に時間がかかるので、その間にミニ四駆のシャーシを組み立てよう、という流れだ。終了まで約3時間の予定である。

■デザインを考える

イベント体験レポート その6
もの作り体験とはいっても、さすがにボディのデザインをゼロから始めたのでは今回は時間が足 りない。そこで、用意された6種類のボディから好みのものを選び、ウイングやエアインテークな どのエクステリアパーツを選択していくという方法が取られていた。選択していくとはいっても、 各ボディ毎に選択できるパーツの数は10種類以上、さらにそれぞれのパーツは大きさを100段階 で調整し、無数の組み合わせが可能。事実上、自分だけのオリジナルボディが作れる仕組みだ。

参加した子供達はマウスを使って、3Dモデルの3次元的な回転・拡大・縮小を行いながら、エアロパーツを設置していく。おそらく初めての3Dアプリケーションでありながら、小学校低学年の参加者も、スムーズなマウス操作で3Dモデルを操作していく姿からデジタルネイティブ世代らしい慣れが感じられた。

■3Dプリンターで出力

イベント体験レポート その7
30分程でデザインが終了。制作したデータを「Metasequoia」から書き出し、プリンター用ソフトウェアの「AFINIA 3D」に読み込む。この「AFINIA 3D」の機能により、自動的に3Dモデルが 出力に最適な場所に配置された。出力形状に合わせて向きを考える必要が無いのだ。一昔前の3D プリンターでは、素材の特性やモデルの形状によって配置しなければ、うまく出力されなかったり、倒れてしまったりといったトラブルがあった部分なだけに、うれしい配慮だ。

プリンターにデータが送信されると、鋭い音を発しながらLEDが点滅を始めた。いよいよ出力が 始まるのか、という期待が参加者全員から高まる。データの送信開始から数分後、ゆっくりと3D プリンターが稼動し始めた。自分で作ったものが形になる、誰もがうれしい瞬間だ。さて、ここで講師の金築氏からプリンターとPCを接続しているUSBケーブルを抜くように指示があった。PC から誤って出力停止コマンドが送られるのを防ぐ、という理由だ。データは既に全てプリンターに転送されており、一度出力が始まれば終了までPCは必要が無い。出力に時間がかかる3Dプリンターならではの機能と言えるだろう。

■シャーシの組み立て

イベント体験レポート その8
さて、出力完了までの約90分間を使って、ミニ四駆シャーシの組み立てとテストを行う。参加者によって、組み立てのスピードにばらつきがあり、慣れている参加者は約15分で、比較的苦労している参加者は約60分で組み立てが終了していた。ここでの金築氏からの指示は、必ずシャーシだけの状態でのテスト走行を行うという事。今回、オリジナルボディの出力を行うために、完成後にうまく走らなかった場合、シャーシの組み立てに原因があるのか、ボディの形状に原因があるのかという問題の切り分けを行うためだ。もの作りに限った話ではなく、様々な業務に用いられるプロセスを体験できるというのは、今回参加した子供達にとって貴重な体験となったのではないだろうか。

■ボディの仕上げ

イベント体験レポート その9

出力開始から約90分、プリンターが停止した。出力されたボディをプリンターから取り外し、サポート材と呼ばれる造形物を立てておく枝を切り落としていく作業を行う。「AFINIA H480」は、サポート材が自動的に出力され、かつ簡単に手で切り落とせるよう整形されるが、さすがに小学生では指の力が足りないこともあるようだ。保護者と一緒に出力されたボディから、サポート材を切り離していく。またカッターナイフを用いて表面をなだらかに加工をしていく姿も見られた。

■完成

イベント体験レポート その10
サポート材を切り離したボディを、いよいよシャーシに組み付けて、完成。元々のデータが作りこまれているだけあり、フィット感はタミヤ純正のボディと比べても全く遜色が無い。さっそく設置されたタミヤ公式コースへ持って行き、子供達の手によるシェイクダウン走行が行われていた。塗装やステッカーが無いので真っ白なボディだが、自分たちで設計し、造形を行い、仕上げをしたミニ四駆がコースを疾走する姿に参加者は一様に歓声を上げていた。また、勢い余ってコースアウトをする姿も各所で見られたが、ABS樹脂で造形された今回のボディが破損する事はなく、ミニ四駆として十分な強度を持っていることがわかった。

イベント体験レポート その11

今回のイベントは約3時間という長時間にかかわらず、子供達が集中力を保ち続けて作業をしていた事が印象深い。また、3Dモデルを動かす手つきには初めてだとは思えない慣れが見られた。おそらくは、普段からゲームなどで3Dモデリングされたデータに親しんでいるからでは無いだろうか。この分だと3Dアプリケーションの習得も早いだろう。また、親子体験会といえども、そのプロセスは製造業のデザインや設計と比べても遜色のないものであり、リアルなもの作りに対する 理解が広げられたと感じている。今回参加した子供達がもの作りに対するリテラシーを身につけ、 新しい未来を担っていくれる事を期待したい。

一般社団法人3Dデータを活用する会・3D-GAN
http://www.3d-gan.jp/
Metasequoia
http://www.metaseq.net/jp/
AFINIA 3D
http://afinia.com/
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